現代の日本では、日常生活の中で「銭（せん）」という単位を耳にすることは、ほとんどありません。しかし、かつて日本では「銭」や「厘（りん）」といった、円よりも小さな単位が実際に使われていた時代がありました。では、そもそも「1円は何銭」なのでしょうか？

1円は何銭？

答えはシンプルで「1円＝100銭」です。
アメリカドルの１ドル＝100セントのように、円にもまた100分の1にあたる単位として「銭」が用意されていました。
さらに細かいと「１銭＝10厘」。つまり1円は1000厘でもあります。

銭や厘の歴史

幕末から明治維新期に混乱した貨幣制度を立て直すために明治政府が明治4年５月に、西洋式の貨幣制度を取り入れて十進法の貨幣単位「円・銭・厘」という構成が定着しました。

その後昭和28年に制定された「通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」により1円未満の紙幣や貨幣の発行が停止されることとなりました。
今まで発行されていた1円未満の紙幣や貨幣も同年12月31年限りで通用力を失いました。
これはインフレや経済成長により1円未満の単位では購買力がほとんどなくなったことが原因とされています。
その為現在も1円未満の紙幣や貨幣は使用はできませんが、現在も利息や外国為替の計算などには「1銭単位」や「0.1銭」など1円未満の単位が使われることもあります。
実際のお金として使われなくなってもその概念や言葉は消えていないのです。

まとめ

今では1円玉が日本の最小単位となっていますが、昔はそれよりもさらに細かい価値が確かに流通していました。
日々当たり前のように使っている「円」。その背景にある「銭」や「厘」という小さな単位にちょっと思いを馳せてみるのも面白いかもしれません。